『更年期』とは、女性の閉経前後の期間(おおよそ45-55歳)を指します。
更年期を迎えた女性の体にはさまざまな変化が起こります。
卵巣の機能が低下することにより、女性ホルモンが急激に少なくなります。
これによって、精神的、身体的に様々な『不調』が出現します。
これらの不調の総称こそが『更年期障害』です。
では、この更年期障害は男性にも起こるのでしょうか?
そこで今回は、男性の更年期障害について紹介していきます。
更年期障害の基本
そもそも更年期とは、閉経前後の45歳から55歳くらいの期間をいいます。
女性のライフステージは性ホルモンの分泌レベルによって、大きく4つのステージに分類されます。
• 月経を迎える思春期
• 月経があり妊娠・出産が可能となる性成熟期
• 出産を終え月経が終わる更年期
• 閉経後の高齢期
これら4つのライフステージでは、女性ホルモンの活動が大きく変化し、それによって心や体も変化していきます。
具体的な年齢には個人差がありますが、おおよそ50歳前後に閉経を迎える人が多いといわれています。
そして、50歳前後の更年期になると、次第に卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。
このように、女性ホルモンの量が急激に変化することで、心や体に様々な『不調』が出現することがあります。
ホルモンバランスの乱れや変化に体がついていけなくなってしまうのです。
この現象は、体だけでなく自律神経や精神状態にも起こります。
症状には個人差があり、仕事や家庭生活などに支障が出るような重い症状が続く場合には、更年期障害と診断されます。
男性の更年期障害とは?
そんな更年期障害は男性には出現しないのでしょうか?
結論としては、『男性にも更年期障害はあります』。
近年、男性更年期障害とよばれる疾患が、社会的にも認知されるようになってきました。
更年期障害は女性だけのものと考えられていた時代とは異なり、現代では『男性にも更年期障害が起きる』ということが分っています。
男性更年期障害の原因は?
男性更年期障害の原因はもちろん閉経ではなく、男性ホルモン(テストステロン)の減少にあるといわれています。
男性は40代以降になると、性活動期(10代後半~30代)と比べて、男性ホルモンのレベルが徐々に低下していきます。
そのため、男性も女性同様、ホルモンバランスの乱れによって心身に様々な不調が出現する可能性があります。
男性の場合は、女性よりもホルモンの急激な変化が起こりにくいため、症状を自覚しないという人も多いですが、実際には男性ホルモンのレベルは年齢と共に減少していくのです。
これによって起こる心身の不調が男性更年期障害です。
男性更年期障害の症状は?
男性更年期障害の大きな特徴が、性機能関連症状です。
男性ホルモンの乱れによって、性欲の減退や勃起不全(ED)など、様々な性関連症状が出現する可能性があります。
また、男性ホルモンの乱れは女性同様『精神症状』をも引き起こします。
抑うつや不安障害、不眠や傾眠(眠くて起きていられない症状)などの精神的な障害が出現することがあります。
性機能の低下が心理的にも悪影響を及ぼすなど、心身に出現する様々な不調によって、どんどん悪循環に陥ってしまいます。
加えて、男性更年期障害は、働き盛りの世代(40代)に出現することが多く、仕事への悪影響が出現しやすいのが特徴です。
できるだけ早めに対処することが大切です。
男性更年期障害は誰でも起こり得る病気です
男性更年期障害は誰にでも起こり得る病気です。
『更年期障害』という名前はネガティブなイメージが大きいですが、実際には『ホルモンバランスの乱れ』によって出現する病気であり、誰しもが、多かれ少なかれ、体や心の変化についていけなくなることがあります。
• 更年期障害なんて恥ずかしい
• うつ病なんて言っていられない
• イメージが悪くなるから会社には言えない
• などなど
男性更年期障害には、『強がってしまう』という男性ならではの社会的な問題も存在しており、治療が難しいなどの問題もあります。
しかし、男性更年期障害は誰しもが抱える共通の問題だということを改めて認識し、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
特に、精神的な問題の場合は、自分だけではなく周りの人(家庭や会社)にも大きな影響を及ぼします。
無理をしてひとりで悩まずに、早めに専門家に相談しましょう。
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